
北海道行政書士会
札幌支部所属
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吉田行政書士事務所
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●本やサイトは目安ぐらいに……
大き目の本屋さんに行くと、実用書のコーナーに相続や遺言に関する本がたくさん
並んでいるのを目にします。
だいたい傾向が分かれていますね。
税務を中心テーマにすえた本と法律解説を中心テーマにすえた本、法律解説のほう
には、だいたい「トラブルへの対応」が書かれたりもしています。
最近は、書き込み式の遺言作成本が人気のようです。
こういった感じで、相続や遺言について多くの人の目に触れ、少しでも興味をもってく
れるようになったということは、大変いい傾向だと思います。
これまではあまりにもそういうことに無頓着すぎましたからね。
また、「(遺産)相続」や「遺言」というキーワードでネットで検索をかけると、たくさんの
サイトが表示されます。
それこそ、数万数十万という単位ではないでしょうか。
これにも傾向があります。
(私自身のサイトも含めて)遺産相続や遺言の法律解説や手続の解説に主眼を置い
ているものが多いです。
情報が多くあるということは、やはりいい傾向でしょうね。
自分で考えるヒントがそれだけ多くあるということですから。
しかし……一方で情報過多の弊害とでも言うべき現象も起きています。
本と公開されたサイトの情報だけで、相続や遺言について全部理解したつもりになっ
てしまうという現象です。
もちろん本やサイトは経験豊富な実務家や相続や遺言について、「これでもか!」と
いうぐらい真剣に勉強した実務家が作っていることが多いですから、その内容につい
ては、間違いはないです。
しかし、商業出版やサイトの公開性という特性上、どうしても、そうしたものに書かれ
る内容は、最大公約数的なものになってしまうのです。
なぜか?
本来相続や遺言というものは、そういった問題を持った人個々の事情に合わせて、
対応していく必要があります。
それぞれのケースは千差万別、極端なことを言ってしまえば、一つとして同じケース
はないと言っても過言ではないのです。
それを、出版であれネットであれ“公開”という形にするためには、それらの問題を出
来る限り類型化し、モデル化(単純化)し、対処法を考えていかなければならなくなる
のです。
そしてこの過程で、細かい部分やレアな部分がそぎ落とされ、最大公約数的な回答
や対処法が出来てしまうのです。
それらの最大公約数的な答えが役に立たないかというと、そんなことはありません。
充分な説得力と裏付けのある答えです。
しかし、決して完全な回答ではないのです。
完全な回答を得るためには、問題を抱えた人のあらゆる情報が必要になります。
それらの情報を組み合わせた上で、“その人のためだけの”回答を作り上げていかな
ければ、本当の意味での問題解決にはならないのです。
また、こういう問題を処理する実務家は、本やサイトには書けない“勘所”というもの
を身に付けています。
「書けない」というのは、別に「飯のタネがなくなる」という意味で書けないのではあり
ません。
本当に書けないのです。書こうとしても書けないのです。
それはあまりも感覚的なものだから。
実務家だからこそ分かる、実務家だからこそ身に付いた「感覚」それが“勘所”なの
です。
もちろん、そんな“勘所”無しでも解決できる問題は多くあります。
しかし一方で、その勘所無しには解決できない問題も厳然と存在するのです。
本やサイトの情報だけでこの勘所を掴むのは非常に難しいでしょうし、自分の抱えて
いる問題が勘所無しで解決できる問題なのか、そうでないのかを判断することは、非
常に難しいでしょう。
ですから、本やサイトの情報は、自分の抱える問題のポイントを明確にするための、
目安として使うことをオススメします。
そして、「自分だけでは、どうも分からない」と感じたら、迷わず専門家に相談してくだ
さい。
相談料は数千円からせいぜい1万円ぐらいです。
それをケチっていつまでも思い悩んだり、中途半端な相続やってしまったのでは、逆
に高くついたりします。
そう、早めに手を打っておいたほうが、結果的に安くつくのです。
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